2024.06.05 体と心を見直す時間|すこやか毎日のタネ VOL.02 夏のメンタル不調にご用心 INDEX 夏バテと混同しやすい 「夏季うつ」の症状 Let’s try 「夏季うつ」の予防と対策 猛暑日が続くことも珍しくなくなった昨今の夏、厳しい暑さに参ってしまう方も多いと思います。暑さが長引くと疲労も蓄積し、いわゆる「夏バテ」といわれる体調不良を引き起こしがちですが、これと似た症状で「夏季うつ」というものがあります。季節性感情障害の一つで精神的な不調を伴います。現れる症状が夏バテと似ているので混同されることが多いのです。 調子がおかしいと感じた時は、体と一緒にメンタルも気にかけましょう。「夏季うつ」の知識を持ち、適切な対策をとることで夏が少し過ごしやすくなるかもしれません。 夏バテと混同しやすい 「夏季うつ」の症状 ※横スクロールで閲覧いただけます 「夏季うつ」を引き起こしやすい人 CHECK1温度差が両極端な場所を行き来しがち 大きな温度差による環境の変化は、過度なストレスの要因になります。例えば、クーラーがガンガンに利いた部屋から外出するような動きが多い人は注意が必要です。 CHECK2冷たいものや水分をとり過ぎる 水分は体に必要ですが、水分でお腹が膨れ食事が偏ると必要な栄養素がとりにくくなることも。気持ちをコントロールするホルモンの一種「セロトニン」の合成に必要な、必須アミノ酸「トリプトファン」が足りなくなる場合があります。 CHECK3女性に多い 女性に多い女性ホルモンの変動や光や温度などの外的刺激に敏感なことが原因として挙げられ、男性より季節性感情障害に3倍なりやすいといわれています。 Let’s try 「夏季うつ」の予防と対策 外気温と室温の差に注意する エアコンの設定温度などに配慮して緩やかな変化を心がける。 暑い外からの帰宅時は、急激に室温を下げず、ぬるめのシャワーや風呂に入るなどして段階的に体温を調整する。 食生活を見直す 「セロトニン」の合成に必要な必須アミノ酸「トリプトファン」をとるために、乳製品や大豆製品などを積極的に取り入れる。 上記の理由から、水分をとる際には牛乳や豆乳もおすすめ。 栄養バランスを考えて、たんぱく質を多く含む肉や魚、卵などを意識して食べる。 強い日差しを浴びすぎない 室内ではレースのカーテンを引くなどしてソフトな遮光を。 日差しの下では、サングラスや帽子などを適宜使用する。 日差しが強い時間帯には、窓際の席を選ばない。 1人の時間を持つ 心の疲れは気づきにくく、回復させるのが難しい傾向が。大量の情報や変化、人間関係で疲弊しがちな心を休めるため誰とも関わらない「1人の時間」を持つ。 「無心に取り組めること」や「何を考えるでもなくぼーっとする時間」を確保することも効果的。 体と心は連動しています。体への急激な変化は負担が大きく、積み重なると心にも影響を及ぼします。 何ごとも緩やかな変化を意識して、この夏を乗り切っていきましょう。 大野 萌子先生 一般社団法人 日本メンタルアップ 支援機構 代表理事 公認心理師。産業カウンセラー歴25年。2万人以上の相談実績。多くの官公庁、大手企業、大学などで研修・講演活動を行う。著書およびメディアへの出演・監修多数。
2024.06.05 体と心を見直す時間|すこやか毎日のタネ VOL.02 夏のメンタル不調にご用心 INDEX 夏バテと混同しやすい 「夏季うつ」の症状 Let’s try 「夏季うつ」の予防と対策 猛暑日が続くことも珍しくなくなった昨今の夏、厳しい暑さに参ってしまう方も多いと思います。暑さが長引くと疲労も蓄積し、いわゆる「夏バテ」といわれる体調不良を引き起こしがちですが、これと似た症状で「夏季うつ」というものがあります。季節性感情障害の一つで精神的な不調を伴います。現れる症状が夏バテと似ているので混同されることが多いのです。 調子がおかしいと感じた時は、体と一緒にメンタルも気にかけましょう。「夏季うつ」の知識を持ち、適切な対策をとることで夏が少し過ごしやすくなるかもしれません。 夏バテと混同しやすい 「夏季うつ」の症状 ※横スクロールで閲覧いただけます 「夏季うつ」を引き起こしやすい人 CHECK1温度差が両極端な場所を行き来しがち 大きな温度差による環境の変化は、過度なストレスの要因になります。例えば、クーラーがガンガンに利いた部屋から外出するような動きが多い人は注意が必要です。 CHECK2冷たいものや水分をとり過ぎる 水分は体に必要ですが、水分でお腹が膨れ食事が偏ると必要な栄養素がとりにくくなることも。気持ちをコントロールするホルモンの一種「セロトニン」の合成に必要な、必須アミノ酸「トリプトファン」が足りなくなる場合があります。 CHECK3女性に多い 女性に多い女性ホルモンの変動や光や温度などの外的刺激に敏感なことが原因として挙げられ、男性より季節性感情障害に3倍なりやすいといわれています。 Let’s try 「夏季うつ」の予防と対策 外気温と室温の差に注意する エアコンの設定温度などに配慮して緩やかな変化を心がける。 暑い外からの帰宅時は、急激に室温を下げず、ぬるめのシャワーや風呂に入るなどして段階的に体温を調整する。 食生活を見直す 「セロトニン」の合成に必要な必須アミノ酸「トリプトファン」をとるために、乳製品や大豆製品などを積極的に取り入れる。 上記の理由から、水分をとる際には牛乳や豆乳もおすすめ。 栄養バランスを考えて、たんぱく質を多く含む肉や魚、卵などを意識して食べる。 強い日差しを浴びすぎない 室内ではレースのカーテンを引くなどしてソフトな遮光を。 日差しの下では、サングラスや帽子などを適宜使用する。 日差しが強い時間帯には、窓際の席を選ばない。 1人の時間を持つ 心の疲れは気づきにくく、回復させるのが難しい傾向が。大量の情報や変化、人間関係で疲弊しがちな心を休めるため誰とも関わらない「1人の時間」を持つ。 「無心に取り組めること」や「何を考えるでもなくぼーっとする時間」を確保することも効果的。 体と心は連動しています。体への急激な変化は負担が大きく、積み重なると心にも影響を及ぼします。 何ごとも緩やかな変化を意識して、この夏を乗り切っていきましょう。 大野 萌子先生 一般社団法人 日本メンタルアップ 支援機構 代表理事 公認心理師。産業カウンセラー歴25年。2万人以上の相談実績。多くの官公庁、大手企業、大学などで研修・講演活動を行う。著書およびメディアへの出演・監修多数。