2025.12.03 体と心を見直す時間|すこやか毎日のタネ VOL.08 考えよう冬の肌の健康 気温も湿度も下がり、乾燥が気になる季節になりました。 冬は肌悩みを抱える方が増えるのですが、あなたはいかがですか。 カサカサして衣服に擦れる、耐えがたい痒みがあるなど肌に不快な症状があると気分まで落ち込んでしまうもの。 冬の肌の健康について、一緒に考え、対策をしていきましょう。 INDEX 冬の肌には何が起きているの? 冬の肌を健やかに保つには? 冬の肌の健康Q&A 冬の肌には何が起きているの? いくつかの原因が重なって肌を守る力が落ちています 冬は一年のなかで湿度が低く最も乾燥する季節です。特に屋内は、暖房の使用で屋外に比べてより乾燥した状態となります。そのため、冬に肌が乾燥しやすいのは空気が乾燥しているからと思いがちですが、実は肌が受ける影響はそれだけではありません。 気温が低くなると、体の中では血管が収縮し体温の低下を防ごうとします。その結果、血流が滞り肌まで水分や栄養分が行き渡らなくなります。さらに、皮脂や汗の減少によって肌表面を覆う皮脂膜が作られにくくなり、肌内部から水分が蒸散します。 このような原因が重なって起こるのが、肌の健康を守る働き=バリア機能の低下です。肌のバリア機能は、肌を外部刺激から守ってくれますが肌内部に水分と皮脂が十分に満たされないと機能しません。そういった理由で、冬は肌悩みが増えやすいのです。 カサカサしている シワやひび割れが目立つ つっぱる感じがある 粉を吹いたような感じ さわるとゴワゴワする かゆみがある 冬の肌を健やかに保つには? 暮らしを少し見直すだけで肌をダメージから守れます 冬の肌を健やかに保つには、乾燥を防いで保湿をするのはもちろんのこと、前ページでもお伝えした「体の冷え」の対策も重要です。 体の冷えは血行が悪くなっている証拠で、乾燥肌を悪化させる原因の一つです。肌まで必要な水分や栄養分が行き渡らないため、外側から潤いを与えても内側からどんどん乾燥が進んでしまいます。保湿と一緒に冷え対策も心がけましょう。 とはいえ、あれこれとやることが増えてしまうと負担に感じてしまいますよね。ですので、普段行っていることを少し見直してみてはいかがでしょうか。小さな変化も続けていれば乾燥の改善や予防につながります。ぜひ、できることから実践してみてくださいね。 生活の見直し 布類は肌にやさしいものを 直に肌に触れる布類は、自然素材でチクチクしないものを選びましょう。摩擦によって肌に刺激を与えないことが大切です。 定期的に体を動かす 体を動かすことは、冷え対策や代謝をあげることに効果的です。普段、運動をする習慣がない方は、マッサージやストレッチをまめに行いましょう。 暖房時は一緒に加湿をする 暖房器具を使うと空気は乾燥し、肌だけでなく体調も崩しやすくなります。加湿器などを使用して、湿度が50%を下回らないように調整しましょう。 飲食の見直し こまめに水分補給を行う 冬は水分を摂る頻度が減りがち。体の中からの対策=インナーケアも意識しましょう。冷え予防に白湯を飲むことをおすすめします。 バランスよく食べることが基本 特定の食べ物や成分ばかり摂ることは、肌にとってもおすすめできません。なにかに偏らずあらゆる栄養や体に良い成分を不足させないようにしましょう。 入浴の見直し 入浴後はすぐに保湿を 顔だけでなく全身を保湿することが大切。保湿剤は、夏と同じ物を使っているなら、冬用に保湿効果の高いものを準備しましょう。 たっぷりの泡でやさしく洗う 肌をゴシゴシ洗うと摩擦で角質層が傷つきバリア機能が低下してしまいます。ソープをしっかり泡立てて、やわらかい素材のタオルや手を使って洗いましょう。 お湯は40℃までのぬるめに設定 湯船で体を温めるのは大事ですが、熱いお湯や長時間の入浴は肌の負担になることも。お湯に浸かるのは15分以内を目安にするとよいでしょう。 保湿剤の効果的な塗り方 保湿剤は、肌のシワに沿って塗ると有効成分が吸収されやすく効果的。おおむねシワは横方向に存在するため、保湿剤は縦塗りより横塗りがおすすめです。保湿剤の持続効果は長くないのでたっぷり塗りましょう。 冬の肌の健康Q&A Q顔以外で乾燥しやすい部位はどこですか? 体の中で特に乾燥しやすいのは「ひじ・ひざ・すね・かかと」です。共通しているのは、皮膚の薄さ、皮脂腺・汗腺の少なさといった、水分や皮脂が蓄えられにくいこと。より丁寧な保湿を心がけるなどして、部位ごとにケアするのが理想です。 Q年齢によって肌の乾燥度合いは違うの? はい。もともとの肌質の違いはありますが、年齢を重ねるごとに肌質は変化し、30代後半からは水分も皮脂も肌に留まる量が減って乾燥が進みます。特に更年期を過ぎた60代以降は、肌のターンオーバーの乱れから乾燥がより進みやすくなります。健康な肌を持続するうえで、乾燥への対策は欠かせません。 Q肌の保湿、外側から“塗る”以外のアプローチはあるの? 飲んで体の内側からうるおいをケアする、サプリメントやドリンクといった商品もあります。肌にとって必要なものを効率よく、さらに精度や純度の高い状態で摂取できる場合もありますよ。 Q男性も乾燥への対策をしたほうがいいですか? 男性は、女性に比べて皮脂と汗の分泌量が多いため、一見乾燥して見えない隠れ乾燥肌の方もいらっしゃいます。シェービングによって肌表面の角質を傷つけてしまうことが、バリア機能の低下を招く原因になることも。肌のケアは性別や年齢関係なく行っていただきたいですね。 「自分は乾燥肌ではないから大丈夫」と思っている方でも、 年齢や環境の変化などから思った以上に肌が乾燥していて、 それが肌の不快な症状のもとになっている場合もあります。 冬は肌にとって厳しい季節。いつも以上に労ってあげてくださいね。 祖父江 千紗 先生 皮膚科・美容皮膚科医 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック院長 麻酔科・集中治療の経験を経て、皮膚科・内科領域へ転身。慢性疾患や肌トラブルに対し、薬だけに頼らない根本的なアプローチを重視し、栄養療法や生活改善の視点も取り入れた診療を行っている。名古屋市内に2院展開。
2025.12.03 体と心を見直す時間|すこやか毎日のタネ VOL.08 考えよう冬の肌の健康 気温も湿度も下がり、乾燥が気になる季節になりました。 冬は肌悩みを抱える方が増えるのですが、あなたはいかがですか。 カサカサして衣服に擦れる、耐えがたい痒みがあるなど肌に不快な症状があると気分まで落ち込んでしまうもの。 冬の肌の健康について、一緒に考え、対策をしていきましょう。 INDEX 冬の肌には何が起きているの? 冬の肌を健やかに保つには? 冬の肌の健康Q&A 冬の肌には何が起きているの? いくつかの原因が重なって肌を守る力が落ちています 冬は一年のなかで湿度が低く最も乾燥する季節です。特に屋内は、暖房の使用で屋外に比べてより乾燥した状態となります。そのため、冬に肌が乾燥しやすいのは空気が乾燥しているからと思いがちですが、実は肌が受ける影響はそれだけではありません。 気温が低くなると、体の中では血管が収縮し体温の低下を防ごうとします。その結果、血流が滞り肌まで水分や栄養分が行き渡らなくなります。さらに、皮脂や汗の減少によって肌表面を覆う皮脂膜が作られにくくなり、肌内部から水分が蒸散します。 このような原因が重なって起こるのが、肌の健康を守る働き=バリア機能の低下です。肌のバリア機能は、肌を外部刺激から守ってくれますが肌内部に水分と皮脂が十分に満たされないと機能しません。そういった理由で、冬は肌悩みが増えやすいのです。 カサカサしている シワやひび割れが目立つ つっぱる感じがある 粉を吹いたような感じ さわるとゴワゴワする かゆみがある 冬の肌を健やかに保つには? 暮らしを少し見直すだけで肌をダメージから守れます 冬の肌を健やかに保つには、乾燥を防いで保湿をするのはもちろんのこと、前ページでもお伝えした「体の冷え」の対策も重要です。 体の冷えは血行が悪くなっている証拠で、乾燥肌を悪化させる原因の一つです。肌まで必要な水分や栄養分が行き渡らないため、外側から潤いを与えても内側からどんどん乾燥が進んでしまいます。保湿と一緒に冷え対策も心がけましょう。 とはいえ、あれこれとやることが増えてしまうと負担に感じてしまいますよね。ですので、普段行っていることを少し見直してみてはいかがでしょうか。小さな変化も続けていれば乾燥の改善や予防につながります。ぜひ、できることから実践してみてくださいね。 生活の見直し 布類は肌にやさしいものを 直に肌に触れる布類は、自然素材でチクチクしないものを選びましょう。摩擦によって肌に刺激を与えないことが大切です。 定期的に体を動かす 体を動かすことは、冷え対策や代謝をあげることに効果的です。普段、運動をする習慣がない方は、マッサージやストレッチをまめに行いましょう。 暖房時は一緒に加湿をする 暖房器具を使うと空気は乾燥し、肌だけでなく体調も崩しやすくなります。加湿器などを使用して、湿度が50%を下回らないように調整しましょう。 飲食の見直し こまめに水分補給を行う 冬は水分を摂る頻度が減りがち。体の中からの対策=インナーケアも意識しましょう。冷え予防に白湯を飲むことをおすすめします。 バランスよく食べることが基本 特定の食べ物や成分ばかり摂ることは、肌にとってもおすすめできません。なにかに偏らずあらゆる栄養や体に良い成分を不足させないようにしましょう。 入浴の見直し 入浴後はすぐに保湿を 顔だけでなく全身を保湿することが大切。保湿剤は、夏と同じ物を使っているなら、冬用に保湿効果の高いものを準備しましょう。 たっぷりの泡でやさしく洗う 肌をゴシゴシ洗うと摩擦で角質層が傷つきバリア機能が低下してしまいます。ソープをしっかり泡立てて、やわらかい素材のタオルや手を使って洗いましょう。 お湯は40℃までのぬるめに設定 湯船で体を温めるのは大事ですが、熱いお湯や長時間の入浴は肌の負担になることも。お湯に浸かるのは15分以内を目安にするとよいでしょう。 保湿剤の効果的な塗り方 保湿剤は、肌のシワに沿って塗ると有効成分が吸収されやすく効果的。おおむねシワは横方向に存在するため、保湿剤は縦塗りより横塗りがおすすめです。保湿剤の持続効果は長くないのでたっぷり塗りましょう。 冬の肌の健康Q&A Q顔以外で乾燥しやすい部位はどこですか? 体の中で特に乾燥しやすいのは「ひじ・ひざ・すね・かかと」です。共通しているのは、皮膚の薄さ、皮脂腺・汗腺の少なさといった、水分や皮脂が蓄えられにくいこと。より丁寧な保湿を心がけるなどして、部位ごとにケアするのが理想です。 Q年齢によって肌の乾燥度合いは違うの? はい。もともとの肌質の違いはありますが、年齢を重ねるごとに肌質は変化し、30代後半からは水分も皮脂も肌に留まる量が減って乾燥が進みます。特に更年期を過ぎた60代以降は、肌のターンオーバーの乱れから乾燥がより進みやすくなります。健康な肌を持続するうえで、乾燥への対策は欠かせません。 Q肌の保湿、外側から“塗る”以外のアプローチはあるの? 飲んで体の内側からうるおいをケアする、サプリメントやドリンクといった商品もあります。肌にとって必要なものを効率よく、さらに精度や純度の高い状態で摂取できる場合もありますよ。 Q男性も乾燥への対策をしたほうがいいですか? 男性は、女性に比べて皮脂と汗の分泌量が多いため、一見乾燥して見えない隠れ乾燥肌の方もいらっしゃいます。シェービングによって肌表面の角質を傷つけてしまうことが、バリア機能の低下を招く原因になることも。肌のケアは性別や年齢関係なく行っていただきたいですね。 「自分は乾燥肌ではないから大丈夫」と思っている方でも、 年齢や環境の変化などから思った以上に肌が乾燥していて、 それが肌の不快な症状のもとになっている場合もあります。 冬は肌にとって厳しい季節。いつも以上に労ってあげてくださいね。 祖父江 千紗 先生 皮膚科・美容皮膚科医 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック院長 麻酔科・集中治療の経験を経て、皮膚科・内科領域へ転身。慢性疾患や肌トラブルに対し、薬だけに頼らない根本的なアプローチを重視し、栄養療法や生活改善の視点も取り入れた診療を行っている。名古屋市内に2院展開。